情シスが“いらない”と言われる理由と、これから求められる人材像

導入

「情シス(情報システム部門)はもういらない」──そんな言葉を耳にする機会が増えました。
クラウドやSaaSの普及、DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速などにより、企業のIT環境は大きく変化しています。

一方で、情シスとして働く人たちの中には、「自分の仕事はこの先どうなるのか」「このままでキャリアが続くのか」と不安を抱く人も少なくありません。

この記事では、「情シスいらない」と言われる理由の本質と、これから求められる情シス人材の姿を整理します。
さらに、今後のキャリアアップ戦略としての「情シスの可能性」も解説します。


「情シスいらない」と言われる背景

企業のIT環境が激変する中での“誤解”と“現実”

クラウド化やSaaS導入によって、企業は社内にサーバーを持たずにシステムを運用できるようになりました。
これにより「システムの保守・管理を担う情シスはもう不要では?」という誤解が生まれています。

しかし現実には、クラウド活用が進むほど「情報セキュリティ」「アカウント管理」「データ統合」といった課題が増加。
“情シスの仕事が消えた”のではなく、“変化している”のです。


第1章:なぜ「情シスいらない」と言われるのか

クラウドサービスの普及で自前システムが不要に

かつては社内サーバーやネットワークを情シスが構築・運用していました。
今ではGoogle Workspace、Microsoft 365、AWSなどのクラウドサービスを使えば、専門知識がなくてもシステム運用が可能になっています。

経営層や現場社員の中には、

「もう外部サービスで十分なのでは?」
という認識が広まり、情シスの存在意義が薄れているように見えるのです。

DX推進で“情シス=保守担当”というイメージが古くなった

DXの波によって、企業のIT部門には「変革の推進役」としての役割が求められています。
しかし、依然として「パソコンの設定」「トラブル対応」といった雑務に追われる情シスも多いのが実情。

このギャップが、“情シス=古い”“役割が時代遅れ”という印象を生んでいます。

外部委託・SaaS活用によるコスト削減の波

IT運用を外部委託する企業も増えました。
アウトソーシングによって一時的にコストを削減できるため、「社内情シスを縮小する」動きも広がっています。

ただし、外部委託に依存しすぎるとIT資産の全体像を把握できなくなるというリスクもあります。
この後の章で、その実態を見ていきましょう。


第2章:実際の現場で起きていること

“情シス業務”は消えないが、形を変えている

クラウド時代になっても、社内のアカウント管理、セキュリティ対策、データ統合、システム連携などの裏方業務は確実に存在します。
つまり、「情シスの仕事」はなくなるのではなく、「テクノロジーの管理から、戦略のデザインへ」と進化しているのです。

経営層が気づかない「社内ITのブラックボックス」

SaaS導入を現場任せにした結果、ツールが乱立し、セキュリティ設定もバラバラ──。
経営層が全体を把握できない「ITのブラックボックス化」が進むケースも増えています。

ここで求められるのが、全社のIT戦略を俯瞰できる情シス人材です。
クラウド導入後こそ、「統制」と「安全性」の確保が欠かせません。

トラブル対応・セキュリティ・運用は誰が担う?

システム障害、情報漏えい、アクセス制限トラブル──。
いざという時に対応できるのは、やはり社内の情シスです。
SaaS運用を外部に任せても、最終的な責任は社内にあるというのが現実です。

“情シスがいらない”というのは幻想。
“従来型の情シスのままでは通用しない”というのが真実です。


第3章:これからの情シスに求められるスキル

クラウド、セキュリティ、データ利活用スキル

これからの情シスは「技術を運用する人」ではなく、「ビジネスをつなぐ人」に進化する必要があります。
そのために求められるのが、以下の3分野のスキルです。

  • クラウド理解(AWS、Azure、GCPなど)
  • セキュリティ基礎・脅威対策
  • データ分析・利活用スキル

こうしたスキルは、独学や資格学習からでも着実に伸ばせます。
たとえば「ITパスポート」「AWS認定資格」などは基礎力アップに最適です。

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小さな勉強の積み重ねが、次のキャリアの土台になります。

ベンダーコントロール力と社内調整力

テクノロジーが複雑化するほど、社外ベンダーとのやり取りや、社内部署との調整が増えます。
「技術がわかるコミュニケーター」こそ、これからの情シスの武器です。

「情シスからIT戦略人材へ」キャリアの再定義

単なる保守・運用担当ではなく、経営のパートナーとしての情シスを目指す。
そのためには、実務経験に加えて「DX推進」「クラウド設計」「データ戦略」などを学ぶことが有効です。

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第4章:キャリアアップ戦略としての情シス

「社内SEからITコンサルへ」転職事例

近年、情シス経験者がITコンサルやプロジェクトマネージャーに転職する事例が増えています。
社内調整力や業務理解力は、コンサル業界でも重宝されるスキルです。

“情シス的視点”を活かせる次のキャリアフィールド

  • ITコンサルタント
  • DX推進リーダー
  • クラウドエンジニア
  • プロダクトマネージャー

これらの職種は、「業務×ITの両方を理解する人」を求めています。
まさに情シス出身者の得意分野です。

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企業が「新しい情シス」に期待していること

これから企業が求めるのは「守るIT」から「攻めるIT」へ転換できる人材です。
具体的には以下の3点です。

  1. 経営と現場を橋渡しできるコミュニケーション力
  2. クラウドやAIなど新技術への理解
  3. データ活用による業務改善の提案力

これらは、今後10年を生き抜く情シスの「武器」となります。


まとめ:

「情シスいらない」という言葉は、本当は“古い情シスのままでは通用しない”という警鐘にすぎません。
企業のIT環境が変わる中で、情シスの役割もまた変化しているだけです。

求められるのは、自ら学び、変化を読み解く力
それこそが、これからのキャリアアップの鍵です。

いまこそ、「守りの情シス」から「攻めのIT戦略人材」へ。
あなたの次の一歩が、未来の情シスを創ります。

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